私がやっているオンライン英会話ネイティブキャンプには「カランメソッド」という理論を用いたレッスンがあります。これは、「通常の4倍スピードで英語が習得できる画期的な英語教授法」らしいです。
どんなものか以前から気になっていたのですが、最近ついにレッスンを受け始めたので感想を書きたいと思います。
カランメソッドとは?
ベルリッツで働いていたイギリス人ロビン・カランが考えたメソッド。
講師が英語で質問をし、生徒が英語で答えるやり取りを素早く何度も繰り返すことで、母国語を習得する時と同じように英語を勉強する方法。
現在では35ヵ国以上で教えられており、100万人以上がこの方法で英語を学んでいる。
<カランメソッドのポイント>
→やり取りが素早いので、短い時間でたくさん学習できる
→英語で質問を聞きそれに答えるので、リスニングとスピーキングの基礎的な力が鍛えられる
→母国語を全く使わないので、英語で考えるための訓練ができ、「英語脳」が手に入る
※ちなみにこのように母国語を介さない教え方は、ダイレクトメソッドと呼ばれる
通常の4倍スピードで英語が習得できるのは本当?
このメソッドが効果的かどうかは人によると思いますが、「4倍」という数字には一応根拠があるようです。
ネイティブキャンプによれば、ケンブリッジ英語検定試験レベルまで一般的な学習方法では350時間程度必要だけど、カランメソッドでは80時間程度で済むから「4倍」と謳っているようです。
具体的なレッスン内容
私も実際に数回ネイティブキャンプのカランレッスンを受けてみたので、レッスンの流れがどんな感じだったかについてまとめます。
<レッスンの詳細と流れ>
・レッスン時間は25分間
・初回はレベルチェックをし、診断されたレベルからレッスンをスタート
・テキストはあるが、予習はしなくていい
・レッスンは復習を重視しており、2回目以降は前回の復習から始まる
講師:文法や新出単語を英語で説明する
↓
生徒:Listenと言われた時には、ただ説明を聞く。Repeatと言われた時には、講師の発言を復唱する
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講師:早口で2回質問をする。(例:Is the pen under the book? Is the pen under the book?)
回答の出だしを言うことで生徒の発話を促す( No, the pen…)
↓
生徒:即座に答える( No, the pen isn’t under the book. It’s on the book.)
※この時、生徒のしゃべっている文法や発音に間違いがあれば、講師が訂正して生徒にリピートさせる。
↓
講師:生徒が答えに詰まった時には、正解を最後まで言って、生徒にリピートさせる。
↓
生徒:レッスンが始まって数回後からは、最後に生徒が一人で教材を読み上げる時間がある
カランレッスンのルール
<生徒の回答時のルール>
・質問と同じ文法を使って、必ず文章で答える(Yes, I do.ではなく、Yes, I like television.と言うなど)
・代名詞はできるだけ使わない
・短縮形を使える時は必ず使う(It is→It’s)
・否定文を言った時は、その後にできるだけ肯定文を付け加える(No, it’s not a pen. It’s a pencil.)
※カランレッスンではできるだけ長く話すことが推奨されていて、肯定文を付け加えるのもそのため
・生徒はレッスン中講師に決して質問をしてはいけない
レッスンを実際に受けてみた感想
とにかくレッスンスピードが速くて忙しいので、普通のレッスンより疲れます。
レッスン内容が特殊なので、慣れるまでは、今何をやるべきか分からず戸惑うことが多々ありました。
例えば、先生の話を聞く時間なのか、復唱すべきなのかがよく分からなかったり、答えを自分の想像で話していいのか分からなかったりしました。
できるだけ戸惑いをなくすため、初回レッスン前に、レッスンの受け方を十分知っておくことをおすすめします。
ネイティブキャンプではカランレッスンを始める前に、日本語カウンセリングでカランレッスンについての説明を受けることが推奨されています。
レッスンを受けて意外だったのは思ったより文法もしっかり習うことです。また、文法を間違えた場合はどんどん訂正されることです。ブロークンでも話せればいいやと思っていた人は辛いかもしれません。しかし、実力はつくと思いました。
<カランレッスンに関するご注意>
・ネイティブキャンプではカランレッスンは対応している講師からのみ受けることができます。
※レッスンではたくさんの英語を聴くので、発音の悪い先生とやると聞き取りに余計な労力がかかります。できるだけ発音の聞き取りやすい先生を選ぶことをおすすめします。
・ネイティブキャンプでカランレッスンを受けるには毎回予約が必要です。予約には100コイン(200円相当)かかります。予約は10分前までに取る必要があります。つまり、ネイティブキャンプは本当はレッスン受け放題、予約不要だけど、カランレッスンは「受ければ受けるほど追加料金になるし、予約必須」ということです。
※先生によっては半額の50コイン(100円相当)で受けられるというキャンペーンもあります。
・カランレッスンを受けるには教材の購入が必要です(ただし、最初の複数回は教材不要です。なので、教材購入前にレッスンが自分に合うかどうか試すことができます)
教材にはペーパーバック版(1stageが1600円+送料)とeBook版(1stageが1000円弱)の2種類があります。
ebook版の方が質問音声のおまけもあり、手に入るのも早いのでおすすめです。
カランのレベルについて
・カランレッスンはレベル別に全12ステージある。
その他、ビジネスカラン (Callan for Business) や カランキッズ (Callan for Kids)もある
・英語がそこそこ話せる人でも2~3ステージと判定されることが多いらしい。
そこそこ実力があっても1ステージから始めてもOK
・レッスンを続けていると4~5ステージあたりでしんどくなる人が多い
カランは怪しい?
私は疑い深い方なので、「カランメソッド」という名前自体や「4倍速で習得できる」という宣伝文句を正直怪しいと思ってたのですが、実際は特に怪しくはありませんでした(笑)
カランは英語をたくさん聞いて話す学習法なので「読み書きなどは得意だけど、リスニングやスピーキングは苦手」な日本人に合っていると思いました。
レッスンスピードが速いのでレッスン中はとても忙しくて疲れますが、その分密度が濃くて確かに効率良く英語を習得できる気がするので、時間がない社会人の方に特におすすめします。(正直4倍速とまでは思いませんが)
しかし、全ての方にカランメソッドがおすすめはしません。
以下のようなデメリットもあります。
カランレッスンのデメリット
・これだけではしゃべれるようにはならない。
カランレッスンは筋トレのようなもので、他にも自由会話の経験を積むべきだそうです。
ネイティブキャンプでは他に「5分間ディスカッション」「スピーキング」などのレッスンも並行して受けると良いらしいです。
・レッスンの進行が速く、考えている間にどんどん答えを言われてしまうのが実際の会話と違うので、違和感がある
正直に言うと、私は人に話を遮られた時、割り込まれた時の微妙な気分になります。
・延々と矢継ぎ早の質問に答えたり、単語をリピートしたりするレッスンなので、面白みがない
英語の練習方法として有名なシャドーイング(英語音声を聞いて、同じことを声に出す練習)を先生とやっている感じです。
・自分の考えを英語で表現したい人、自由会話を楽しみたい人には向かない
初心者の方はカランは基礎トレと割り切って、別のレッスンを平行して取るといいかもですが、そこそこしゃべれる人で文法などは気にしない人は別にカランをやる必要はないかもしれません。
まとめ
上記のようにデメリットもあるので、とりあえず体験してみて、自分に合っていると感じたら続ければよいと思います。
ちなみに、私はネイティブキャンプの他の教材の方が楽しいので、カランレッスンはこれ以上続けない予定です。
※今回記事にしたカランメソッドレッスンの内容は、私のやっているオンライン英会話ネイティブキャンプのものです。他のスクールではやり方が違うかもしれません。他のスクールを利用予定の方は、参考程度にしてください。