中学受験の良書!合格する親子のすごい勉強

最近読んだ中学受験に関する本『合格する親子のすごい勉強』が良書だったので、この本の内容の一部や、この本のいいところ、気になるところなどをご紹介します。著者である松本亘正さんは、ラサール→慶應大学卒という経歴で、ジーニアスという中学受験塾の代表らしいです。

本で紹介されていた中学受験や勉強に関するテクニック

※私の解釈でまとめさせてもらっています。

・子どもの語彙力を自然に伸ばす方法。

親が子どもを実際より2~3学年上だと想定して会話する。

子どもが言い間違いをしたら、その場ですぐに指摘する。

好きなジャンルの本を読ませて、分からない言葉にだけ線を引かせる

・伸びる子は手先が器用だったり、他人が見たらどうでもいいような細かいところにこだわりを持っている子が多い。

子どもにそれらの力をつけさせるには、親自身が趣味や仕事に打ち込んだり、こだわっている姿を見せるといい。

子どもにやる気を出させる方法としては、「何かができなければ、先に与えた報酬を取り上げる」のが効果的
これは、人間の「いったん手に入れた物を失うのは嫌だ」という心理を利用している

塾で実際にやっているのは、宿題の提出で子どもが貯めたポイントを、計算ミスを連発した場合に奪うなど。

・子どもには「一番好きな科目に割く勉強時間は、2番目に多くなるように(つまり一番好きな科目よりもっと勉強する科目を作るように)」アドバイスする。

その理由は、得意なことが2つあると強いため。

全ての教科をがんばらせようとすると逆効果になることが多い。不得意な科目は「普通」レベルを目指せばよい。

・子どもには10歳頃までに「常に代案を出す習慣」をつけさせておくといい。

それが、社会に出た時も必要とされる「複数の解決策を考えられる」能力につながる。

・子どもが「塾に行きたくない」「勉強したくない」などと言ってきたら、親は「どうすればいいかな」と一緒に考える。

子どもの成績が下がった時や、何か悪いことをしてしまった時も同様で、子どもと一緒に親が悲しんだり悩むのが大事。

・子どもの集中力がいつもより低い、ぼんやりしていると感じたら「何か悩んでる?」と聞いてみる。

子どもに本当に悩みがあるなら吐き出すことですっきりするし、ただぼんやりしていただけであっても気持ちの切り替えができる。

・兄弟の中で「できる子」に対しては、他の子がいないところで褒める。兄弟や他人と比較せず、過去の本人と比べて成長を褒めるのが大事。

兄弟に対して劣等感を持っている子に対しては、「え?そんなこと思っていたの?全然そう思わないけど?」ととぼけて、「あなたの得意なのは〇〇だよね」と肯定的な声掛けをする。

・子どもが良い点数を取った時に、「さらに上を目指そう!」ということは言わないようにする。

がんばった事実や成長を褒めたり、「この結果はすごいね。どうしてこんな結果が出せたのかな?」と子どもに因果関係を見つけさせるようにする。

・中学受験は当日の精神力が合否を大きく左右する。

上手く息抜きしながら、限られた時間で集中して勉強するのが大事。

そのため、習い事などは続けた方がいい。
5年生までは週1日くらい勉強しない日があった方がいい。
6年生になっても月に2日は勉強しない日を作り、外出などして気分転換をする。

・受験校の数は3~5校が望ましい。首都圏の中学校受験プランとしては、1月に1~2校、2月に2~4校程度。

早めに1校は合格を取っておくといい。

近年は午後受検(2月1日や2月2日などの午後に行われる試験)も増えてきているので上手く利用する。

この本で紹介されていた中で私が気になった教材

白地図作業ノート 改訂新版

地理の勉強はこのような白地図に書き込みながら勉強して、「地図ごと画像のように覚える」のが効果的とのことです。

はじめての論理国語 小1レベル

有名な予備校講師である出口汪先生が小学生向けに問題集を出しているなんて知りませんでした。うちの子にもぜひ解かせてみたいです。

この本のいいところ

経営している塾の宣伝目的ではない

この手の本は内容の大半が宣伝ということもあるのですが、この本に宣伝や自慢はほとんどありません。

前書きにちょっとあるのと、本文に「当塾では資料を読み解く力を磨いているので、卒業生に弁護士やコンサルなどが多い」と書いてあるくらいです。

巻末の「中学受験に役立つ書籍」がいろんな出版社から集められているのもいいなと思います。

具体的なエピソードが多い

たくさんのお子さんを見てこられた方なので、いろんなお子さんのエピソードが満載です。

親にこだわりがあったり著者のアドバイスを聞き入れなかったために子どもの受験が失敗したケースなどは反面教師にしたいと思いました。

著者が若い

著者が若い(1982年生まれ)ので、感覚が現代的で、教え方や選ぶ教材などの子ども受けがいいと思います。

本文では登場人物の心理を分析するのに映画『君の名は。』が例として使われていたり、本屋大賞の『羊と鋼の森 (文春文庫)』が読むと良い本として挙げられていたり、自宅学習教材としてタブレット教材の『チャレンジタッチ』が紹介されているなど、今どきの教材が多数扱われています。

中学受験の先を考えてくれている

この本には中学受験だけでなくて、その後の学生生活や、大学受験、将来社会人になった時に役立つ話も書かれています。

例えば、

「志望校の部活は何があるかだけでなくて、練習の頻度もチェックするべき(その部活の真剣さや拘束時間を知るため)」

「大学入試は将来、CBT方式と呼ばれるコンピュータを利用して実施されるものになる」

「教育方針は、子どもの性格を考慮しつつどんな社会人になって欲しいかをイメージして決める」

などのアドバイスが載っています。

この本の気になるところ

・タイトルが「合格する親子のすごい勉強」なのですが、読み終わった後あんまり内容とマッチしていないと思いました。
どちらかと言うと、「カリスマ塾講師のすごい指導法」っていう感じです。

・この本は勉強に関する理論や子どものメンタルの支え方などに丁寧にページが割かれているのですが、中学受験の「具体的なテクニック・ノウハウ」をもっと深く詳しく書いて欲しかったです。

例えば、〇〇の教科は何月までに仕上げるべきとか、志望校への過去問への取り組み方など

・文中に「足元をすくわれる」という表現がありました(p.157)
この表現も広く使われており市民権を得てきているようですが、できれば本来の「足をすくわれる」の方がいいかと思います。

重箱の隅をつつくようで申し訳ないのですが、ちょっと気になったので書かせていただきました。

おまけ:中学受験に役立つ話

今回の本とは関係ありませんが、雑誌などで見かけた中学受験に役立つ話です。

・中学受験は「親の受験」と言われる。親の意思もかなり反映されているし、親のやるべきことや負担も多い。

親が塾の送り迎えや弁当作りに加え、勉強計画を立てる、プリントを整理する、見直しノートを作成する、子どものメンタルケアなどかなり世話を焼いているケースが多い。


・補欠合格した際のことを想定して、事前に子どもとよく話し合っておく。

第二志望への入学を前向きに考えていた時に、第一志望の補欠合格をもらってどちらを選ぶか迷うことがある。
(子どもが友達と同じ学校に行くと約束してしまって困ったケースなどもある)


・塾は関東ならSAPIX、関西なら浜学園が有名。
しかし、一番大事なのは子どもに合った塾を選ぶこと。


・受験の数日間は親もいろいろやることがあるので手伝いの大人は多い方がいい。

母親だけでなくて父親や祖父母もできれば予定を開けておく。


・受験シーズンはノロウイルスやインフルエンザなどが流行る時期なので、感染が疑われる子は別室で受ける(保健室受験)というものがある。