国立小学校のメリット・デメリットとは?

小学校受験

今回の記事は、国立小(国立教育大学や国立大学教育学部の付属小学校)のメリットやデメリットについて考えたいと思います。

国立小のメリット

・安い学費で最先端の授業が受けられる

・やる気があって指導力の高い素晴らしい先生が集まる(各教科の権威的な先生も)

・ベテラン教師が多い

・教科担任制(先生は専門の教科だけ教える)のことが多い

・児童数に対しての先生の数が多め

・できる子どもと、意識の高い親が集まる

・進学実績が高い

・高校までは系列校に内部進学(連絡進学)できる

※内部試験はあるが、激しい中学受験競争は回避できる

・日常的に研究授業があり、そこで発表の機会があるので度胸がつく

・学級崩壊の心配はほぼない

・一部の学校では、いじめの研究もされているのでいじめが少ない

・公立や、有名ではない私立小よりも認知度が高くブランド力がある

デメリット

・倍率が非常に高い(東京では10倍~数十倍)

・抽選がある(学校によっては2回)

→合格は運の要素も大きい。十分に準備して実力があっても、事前の抽選で試験を受けることさえ叶わないこともよくある。1回目の抽選と試験に受かっても、学校によってはそれからまた2回目の抽選がある。
せっかく対策しても落ちてしまう可能性が高いので、私立を併願する家庭も多い。

・「教育実験校」である

→授業は受験の役には立たない。教育実習生の授業も多い。先生は研究授業で忙しいので、教科書を使わなかったり、終わらなかった部分が自習になったり、面倒見が悪くて宿題がなかったり、新出漢字などは自分で勉強しないといけないことがある。

習ってない漢字をテストされたり、いきなり超高度なことを教えられたり、無茶振りもある。先生が違うと授業も全然違ったものになる

・学力の維持には親のサポートや塾通いが必要

・全員が内部進学(連絡進学)できるわけではない。(学校によるが知人の学校は付属中学へは3〜4割程度しか行けない)

→内部進学のためには内部進学対策塾に行く子が多い。お金もかかるし、枠を争うので子ども同士ライバル意識が芽生え、足を引っ張り合うこともある

・中学に進学できたとしても、また高校進学に向けての戦いがある。中学からは中学受験を経験した優秀な子が入ってくるので、競争も厳しくなる。

・国立で内部進学できなくて国立小から私立や公立へ行く、というのは肩身が狭く感じる(人もいる)
それなら公立小で良かったと思うらしい。

・きょうだいが同じ学校に通えない可能性がある。

→そうなると親の手間が増えるし、きょうだいで共通の学校に関する思い出が作れなくなる

・PTAや行事などで親の出番が多め
(父親の会などがある学校も)

→PTAや行事で有給休暇がなくなる人も多い。
6年間に2回役員を引き受けないといけない学校もあるらしい。

・私立小に比べ、親も子も学校見学が満足にできないことが多い。

・「内部進学ではなくやっぱり中学受験をしたい」と思った場合にやりにくくなる。
(あまり推奨されない行動なのでこそこそ中学受験することになるし、他の子が秋に内部進学を決めて遊んでいる中で冬に受験勉強の追い込みの勉強をしないといけない)

・国立小の数は少なく、家の近くにない可能性が高い。
→東京23区の人なら選択肢が多いが、地方だと1校しかない。
通学も大変。電車通学する子も多い。地元の友達がいなくなる。

・お役所的なところがあり、願書の受け取り日が決まっていたり、融通が利かない。

・校則が厳しい(公立より厳しいのはもちろん、私立小よりも厳しいことも)
子どもの持ち物はキャラ物禁止、髪型の指定(ロングヘア禁止)、水着の代わりにふんどし着用などといった謎の校則も学校によってはある。

・「平日学校が終わってからの習い事は良くない」としている学校もある
(内部進学を目指す人は先生の心証を良くするため、習い事はしないことが多い。
外部進学する場合、塾などには制服を着替えて行く)

・私立小に比べると校舎や設備などが古い

・学校によっては寄付金を求められる(任意ではなくほぼ強制)
※国立は公立とかかる費用が変わらないと思っていたのに、35万~40万程度寄付金などでかかってしまったという話も聞きました

・復学できない
→転勤などでどこか別のところへ行ったけどまた元の土地に戻ってきた際、私立だと復学できる学校もあるが、国立はできない(別の国立小に転校はできることもある)

国立小Q&A

Q:国立小合格のためには、どんなお教室に通うといい?

A:国立小に合格者を多く出しているところが良いと思います。

国立のノウハウも持っているし、私立を受ける子が大半のお教室だと、試験の時期が約1か月違うので、早めに終わったお友達を見て羨ましくなる可能性があります。

私の周囲のママさんでは、大手教室よりも面倒見の良い個人教室にお子さんを通わせている方が多いです。


Q:準備なしで受かる子もいるの?

A:ほとんどのお子さんが1年くらいお教室に通って準備していますが、国立小の試験は私立よりもペーパーなどが比較的簡単で、制作や行動観察も常識的に対応できるものなので、無対策で受かることは可能のようです。

私の知人の子は模試を受けただけでお教室には通わず受かりました。

ただ、倍率が高いので、きちんと対策した子じゃないと受かりにくいのも事実です。無対策で受かった子は成長が早いタイプだったり、親がお受験関係なく色々な習い事や体験をさせていたり、ドリルをやらせていたり、帰国子女など特殊な環境で育ったケースなどがあるようです。

※無対策での受かりやすさは学校によっても違います(最難関の筑波大附属に無対策で受かるお子さんはあまりいないですが、学芸大大泉などは無対策で受かるお子さんがけっこういます)

幼児教室に通わず国立小に受かる方法

・親が情報収集する(子が志望校に通ってる先輩ママを見つけ話が聞けるといい)

・日常生活では言葉遣いに気をつけ、身の回りのことを自分でやらせたり、お手伝いをさせたり、マナーなどをしっかり教える。季節の行事を大事にする

・場慣れのため模試は受けさせる(本番のピリピリした空気はまた違うので、できれば私立を練習に受けるとなお良い。ただし行く気がない場合は早めに辞退し補欠の人に枠を譲るのがマナー)

・過去問を解かせる

・過去の出題を分析して家庭や公園などで遊びの中で制作や運動(ケンケンなど)の練習をさせる

・行動観察が苦手なら、それは1人では練習できないのでそこだけ講習に通う


Q:きょうだい枠はあるの?

A:私立小にはきょうだい枠がありますが、国立小はきょうだい枠はないと言われています。しかし、在校生や卒業生の実感として兄弟で通ってる子も多いそうです。その家庭が国立に合ってたり、親が熱心だったり、きょうだいの資質が似てて受かりやすいという説もありますが、実はきょうだい枠があるという話もあります。
学校によっては双子枠があるそうです。(実験の効果を見る際、双子は比較しやすくて良いので)


Q:筑波大学附属小学校ってそんなにすごいの?

A:全国の国立小の中でトップ校です。小学校界の東大と言われているらしいです。
某幼児教室の先生は「個人的には、お受験して行く価値のある学校は筑波だけだと思ってる」とおっしゃっていました。極端な意見だと思いますが(汗)


Q:国立小にお金持ちはいない?

A:学費が安いので大半は一般家庭と思われがちですが、多くが高額のお受験対策教室に通ってきた子なので、一般的な家庭よりも裕福なことが多いです。(上場企業社員・医者・弁護士、経営者などの家庭)年収300万だけど国立小に受かった、みたいな記事も見かけるのですが、かなり少数派だと思います。


Q:国立小に編入はできる?

A:東京の国立小学校では、

・帰国子女

・別の国立小附属に通っていたが親の転勤についていくことになった

上記のような特殊ケースを除き編入はほぼないようです。

地方の国立小学校では若干名募集するところもありますが、基本的にはお受験で入るしかないと思っておいた方が良いようです。

東京近郊国立小リスト

お茶の水女子大学附属小学校 東京都文京区大塚
筑波大学附属小学校 東京都文京区大塚
東京学芸大学附属大泉小学校 東京都練馬区東大泉
東京学芸大学附属小金井小学校 東京都小金井市貫井北町
東京学芸大学附属世田谷小学校 東京都世田谷区深沢
東京学芸大学附属竹早小学校 東京都文京区小石川
横浜国立大学教育学部附属横浜小学校 神奈川県横浜市中区立野
横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校  神奈川県鎌倉市雪ノ下
埼玉大学教育学部附属小学校 埼玉県さいたま市浦和区
千葉大学教育学部附属小学校 千葉市稲毛区

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コメント

  1. rinko より:

    こちらもとても参考になる記事です。ありがとうございます。
    もともと私立小って数が少ないですよね。
    通学時間短めめで通わせたい私立小学校を見つけることができませんでした。
    なので国立小学校も調べています。

    某幼児教室の先生が「個人的には、お受験して行く価値のある学校は筑波だけだと思ってる」と言っていたのはびっくり!
    筑波にも興味ありましたが、体育学校っぽいですよね。
    幼少期に体を鍛えていることは大事なことだとは思うのですが、運動が好きじゃないと学校に通うのも大変そうです。
    筑波大学附属小学校出身の方を知っていますが、大人になった今も運動大好きですよ。休日はいつも運動しています。ちなみに頭脳明晰な感じがします。

    うつの子はそこまで運動好きでもないので、たぶん受けないと思います。

    • eisai より:

      >rinko様

      その某幼児教室の先生は元々お受験反対派なので、意見も参考程度になさってくださいね。

      小学生の通学時間が長いと大変ですよね。近くにどこか良い学校が見つかるといいですね。

      筑波って体育学校ぽいですか?私の知人で筑波出身の方は、運動は苦手みたいです。筑波出身者としては珍しいのかな。

      筑波が体育学校のイメージはありませんでしたが、確かに考査でクマ歩き(というかクマ走り)が出題されるあたり、運動の得意なお子さんが多く入っているのかもしれませんね。

      筑波はペーパーもすごく難しいですよね。
      他の国立と違ってさすがに筑波は記念受験のお子さんだと入れないだろうなと思いました。

  2. なかちゃん より:

    eisaiさん、ご無沙汰しております。お元気ですか?

    この度、附属小に最終合格することができました…
    ただ実は、附属小の受験前にeisaiさんにメッセージを書きたいと思っていたのですが、私は受験自体を非常に迷い、娘が受けないと言えば、受験を止めようと思っていました…
    ただ娘は必ず受験すると言うので、私は娘の意向に従った、という感じでした。

    というのも、現在の家庭学習のペースを変えたくない、と強く思っていて、役員会の状況などから、それが難しいのではないか、と感じたためです。
    公立小の方が、通いやすさや自由度が高いと感じて、そちらの方に傾いていました。
    しかし、公立小は公立小で、授業中の立ち歩きなどの問題があったり、放課後遊びをどう規制したらいいかも分からず、近所中がみな知り合いというのも、負担に感じました。

    私がまだ入学するか分からないと言えば、夫や義父は相当強く入学させるように言い、長兄(夫は三男です)の子供(甥二人)も卒業しているので、役員会の状況などを確認したところ、たまたま、長兄自身が子供の在学中に現在の役員会の体制を整えたということで、詳しく聞くことができました。
    今のところ、もう少し吟味したいと考えています。

    ともかくも、受験、抽選会、ともに大変に消耗しました… とりあえずは、年末年始は疲労回復したいと思います。
    eisaiさんも、お体に気を付けられ、良い年末年始をお過ごしくださいね!

    • eisai より:

      >なかちゃん様

      ご無沙汰しております。たまに風邪を引きますが、それ以外は家族皆元気にしています♪
      娘さんの附属小合格おめでとうございます!さすがです!

      ただ、迷いもあるのですね。
      公立は、担任の先生・学年・クラスによって当たり外れがある印象です。
      附属に受かったのならご主人や義理のお父様のように、附属を選ぶ方が多いと思います。

      しかし、確かに公立の方が親も子も楽という面もありますよね。
      それで余ったエネルギーをやりたいことにまわせますね。

      放課後遊びの心配は「〇時までに自宅に帰る」などと約束させたらいいかもですが、なかなか難しいですかね…。
      近所も習い事などに熱心な家庭であればいいのですが。

      附属と公立、よく考えて選んでくださいね。

      受験は親も子も本当に疲れますよね。
      国立は抽選があるので、さらに精神的に大変ですね。

      年末年始はゆっくりとお休みください!
      うちも冬休みは近場へお出かけする程度でゆったり過ごす予定です。

  3. rinko より:

    友達と話したときも「あそこは体育学校だもんね。」と言っていました。
    やっぱりそういうイメージなのかなぁと思った記憶が。

    ただ生徒数が少ないために実際に通った方になかなか聞ける機会がないです。
    こんな書き込みはありましたが。
    http://elementaryadmission.blog.fc2.com/blog-entry-104.html?sp

    うちの子は早生まれで、受けるときは少し有利かもしれません。
    ただ入れても入学後が大変かと。

    くま歩きできるだけじゃダメそうですよね。
    ペーパーも難しいですか。それはそうですよね。
    日々に余裕がなくて、まだペーパーすら見られていないです。

    • eisai より:

      >rinko様
      世間では体育学校というイメージがあるんですね。
      URLのサイトも見ましたが、入学後の運動もすごいですね。
      勉強になりました。

      筑波の考査の定番、クマ歩きですが「筑波のクマ歩きは、クマ走り」と言われるくらいのスピードが必要みたいですね。

      早生まれのお子さんは、早生まれ同士の戦いになりますね。
      今年の考査は、AとCグループが簡単で合格者が多く、
      Bグループ(夏~秋生まれ)は落ちる子が多かったそうです。

  4. rinko より:

    世間のイメージを知りたいのですが、他の友人・知人で聞ける人がいないのですよ~。
    やはり小学校受験を考える人は少ないからですね。
    多くの人は「有名な小学校だよね?」くらいの感じで、詳しくは知らないという感じがします。

    横峯式についても取り上げてくださり、ありがとうございます。
    私の勝手な印象ですが、横峯式に向いている子がそのまま筑波大学附属小学校にも向いている子かな?って思います。

    結局いつも早生まれの子が含まれるグループ(冬産まれ)は受験者数も少なそうですよね。でも合格はそのグループもそこそこ取るはず。
    あまりに4・5月生まればかり合格では、実験校としては良くないでしょうから。
    でも早生まれは運動大好き化運動神経がよほど良くない限り、入ってから苦労しそうです。

    • eisai より:

      >rinko様
      筑波大学附属小のイメージをママ友に聞いてみました。
      「文武両道のイメージ」
      「お子さんがそこに通ってると聞くとママを尊敬する」
      「4~5月生まれが多そう」
      「女子より男子に合ってる気がする」
      「東京カレンダーの小説で、幼稚舎を蹴って筑波にした家庭があったのが印象的だった」
      「(お教室は)池袋のわかぎりが筑波に強いと思う」

      こんな情報が得られました。参考になるものがあればいいのですが。
      横峯式の幼稚園に通っていると筑波のクマ歩きが上手にできるようになると思うので、有利でしょうね。

      できるお子さんが集まっているので、早生まれのお子さんは色々大変かもしれませんね。
      筑波に合格した早生まれのお子さんが授業についていけるように、慌てて公文に通わせ始めたという話を聞いたことがあります。

  5. rinko より:

    ドタバタでやっと時間が取れました。

    わざわざ聞いてくださったんですね。参考になります。ありがとうございます。
    池袋のわかぎりが強そうというのは、初めて知りました。
    一番下のわかぎりについて以外のあたりは、私も同じ印象です。調べただけなのですが。
    そうそう、女の子より男の子のほうが向いていそうですよね。
    早生まれの女の子で特に運動が好きでもなさそうなので、筑波はたぶん受けないと思います。

    クマ歩きは小学校受験しなくても体操みたいな感じでやってみたいなと思います。
    七田式は体験も行ったことはありませんが、TVで七田式が紹介されたときにやっているのを見ました。
    周りができる子ばかりなので、入ってから大変そうですよね。
    公立小学校でも学年で運動も勉強もできて目立つような子っていますよね。ああいう子ばかりが集まる小学校?みたいなイメージです。