4月から学年が始まる今の日本の学校制度において、早生まれは損で、4~6月生まれはいろいろと有利だと言われています。
本当に早生まれは損なのでしょうか?
幼少期に同学年の友達と比べられた場合、4~6月生まれはお得
幼少期はほんの数カ月でかなり発達するので、同じ学年の友達より数か月でも早く生まれている方がいろいろとできることが多く、「できる子」として幼稚園デビューはできると思います。
早生まれより4~6月生まれの方が、先生やお友達のママなどに褒められる場面も多いと思います。本人も自信がつき、優等生としてのスタートダッシュができるかもしれません。
親の立場になってみると、4~6月生まれの子は入園前のトイレトレーニングなどを焦る必要がなく、ゆったりと子育てすることができます。
ただ、2・3歳頃は人生で一番発達の個人差がある時期なので、4~6月生まれでも発達が遅めの場合にはそうなりません。
発達が遅めの子の場合は、むしろ早生まれの方が発達が遅い言い訳になるので、親も気が楽かもしれません。
プロスポーツにおいては4~6月生まれが有利
野球やサッカーなどのプロスポーツ選手には、4~6月生まれが多い傾向があるそうです。
友達よりも運動発達が早いせいで、小さい頃から他の子よりも試合出場の機会が多くなるからだと言われています。
ただ、これは統計的に見た場合のことで、早生まれでも本人に実力があれば問題ありません。
例えば桑田真澄さんは4月1日生まれで、(4月1日まで上の学年に入るので)同学年の友達の中で一番誕生日が遅い子でしたが、活躍する野球選手になりました。
また、浅田真央さんのようにスポーツ界では兄や姉と一緒の競技に取り組んだ第二子が活躍している例が多いので、誕生月よりも出生順の方が関係があるかもしれません。
ちなみに、3月27日生まれの内田篤人選手は、日本サッカー協会による、早生まれ選手の発掘・育成プロジェクト『早生まれセレクション』に参加して代表に選ばれるまでになったそうです。
このプロジェクト、今はやっていないそうなのですが、面白い試みですよね。
早生まれかどうかは、学力にはほとんど関係なし
幼稚園入園時点では、学力は当然4~6月生まれの方が高いです。
しかしこのアドバンテージは一時的なもので、小学校低学年までにはだいたい追いつかれると思います。
「学歴においても早生まれはわずかに不利(※)」という研究結果もあるようですが、4月生まれはいい大学を出ている確率が高いかというとそうではないようです。
※2006年 一橋大大学院の川口大司助教授による研究
小学校高学年くらいになると、生まれ月よりも本人の適性や努力、家庭環境の影響の方が大きくなります。
中学受験では早生まれはそこまで気にしなくて良いと思います。
うちの東大卒パパによれば、有名中高一貫校や東大の友達は秋生まれが多かったとのことです。
(サンプル数が少ないのであれですが)
学歴における早生まれのメリット!?
早生まれだとむしろ学歴においてメリットもあります。それは「浪人しても居心地があまり悪くない」ということです。
浪人しても一学年下の人と生まれ年は同じなので、気になりません。
ちなみに小学校受験は、誕生日順にグループに分けて行われたり、筆記試験は行わず月齢が考慮されたりする学校も多いので、お受験をさせようと思っている方も早生まれだからと悲観することはないと思います。
むしろ早生まれグループの方が競争率が低いこともあります。
<月齢別の試験がある小学校の例>
慶應義塾幼稚舎
早稲田実業学校初等部
筑波大学付属小
学習院初等科
4~6月生まれのデメリット
4~6月生まれは同学年の友達の中で最初は勉強も運動も一番できます。それは一見いいことのようですが、裏を返せば「(言葉は悪いですが)自分より幼い友達に混ざり、自分の実力よりも低いレベルの授業を受けさせられている」ということです。
同じレベルの友達と切磋琢磨したり、自分より出来る子を見て良い刺激をもらったりという経験が乏しくなってしまいます。
こどもちゃれんじなどの通信教育も(公式には書いてありませんが)9月生まれ位に合わせてあることが多いので、4~6月生まれだと内容が合わないことがあります。例えば、こどもちゃれんじ ぷちだと2歳をだいぶ過ぎてからやっとトイレトレーニングの号が届きます。
こどもちゃれんじは一学年上を受講することで解決しますが、幼児教室などでは飛び級はできないところが多いです。(例えば講談社の「すこやか教室」や小学館の「ドラキッズ」では飛び級は認められていません)
お子さんが4~6月生まれで発達も早い場合、幼児教室に通わせたいけれど、授業内容が物足りないので通わせられないという悩みが発生するかもしれません。
早生まれは人生において不利?
早生まれは小さいうちこそ友達と比べられた時に不利かもしれませんが、大きくなったらほぼ追い付きますし、むしろ若いとうらやましがられることも多いと思います。管理人の知人で、「胎児が女の子だから3月に産んでやりたい」と本来の予定日は4月なのに早めに産むために運動をがんばっている妊婦さんもいます。
4月生まれの同級生が30歳になってからも、自分は1年近くも20代でいられるのは大きな違いだと思います。婚活などの際には特に有利かもしれません(笑)
まとめ
結局、4~6月生まれと早生まれ、どちらもメリット・デメリットがあると思います。デメリットを少なくしたいなら秋頃に産むのがいいのかもしれませんが、なかなかそうはいきませんし、そんなことを気にしている人は少数派のようです。実際、子どもはどの月も平均的に生まれているようです。