実際に通って感じた、公文式の良いところ悪いところ
うちの子は年少の終わりから公文式の教室に通い始めました。
今回はその中で感じた公文式の良いところと悪いところを書きたいと思います。公文式の評判を調べている方の参考になれば幸いです。
公文式の悪いところ
アナログである
分かってはいたんですが、公文はすごいアナログですね。
特に算数と国語は「教室に通って紙のプリントを解き、それを人間が採点する」という昔ながらのやり方です。(英語はペンで音声を聞けるなど、ちょっとハイテク)
これだけ電子機器やインターネットが発達している現代において、もっと電子化して効率良くできる部分があるんじゃないかと思います。
例えば、
・週に2回も教室に通うのが大変。その必要があるの?自宅でオンラインレッスンするのじゃダメ?
・プリントの採点にたくさんのスタッフと時間をかけているけれど、機械採点にできないの?
・同じプリントを何回も解かせるけど、さすがに飽きる。似た問題をコンピューターで生成したり、せめて問題をシャッフルしたり、繰り返しと分からないようにやらせられない?
・子どもがつまづいたところの解説も、人じゃなくて動画でもいいのでは?
つまり、公文と似たことをPCやタブレットでできたらいいのにと思います。
でも、習い事の選択肢が多い現代において「週2回通う・終わりの時間が読めない・宿題がある」という面倒臭い公文がこれだけ選ばれているのだから、これでいいのかもしれませんね(?)雑なまとめですみません…。
先生によって全然違うものになる
公文式の教室はどこでも同じプリントを使うので、指導内容も同じようなもの(指導者による差はない)と思っていたのですが、大間違いでした。
「プリントをどのレベルから始めるか」
「同じ問題を何回繰り返させるか」
「国語の漢字など、どの程度厳しく採点してやり直しさせるか」
「宿題を何枚にするか」
「子どもへの声掛け」
「分からない問題へのヒントの出し方」
「取り組みに対するごほうび(次の段階のプリントに進んだら賞状をくれる、シールを貯めたら文具に交換できるなど)」
「お楽しみ会の開催」
など、先生のさじ加減で変わってくるものがけっこうありました。(料金も、基本は同じですが、夏と冬に冷暖房費を取る教室と取らない教室があります。また、宿題プリントを入れるファイルは基本自分で用意しないといけないのですが、親切な教室だと先生が無料で用意してくれます。)
親切な先生だと、公文以外の補助プリント(教科書準拠のプリントなど)を出してくれるところもあるそうです。
今通わせている教室の評判は、事前に収集していたのですが「子ども・保護者と先生の相性」もあるので、評判はあまり当てにならないなと思いました。
実際、うちの子の通っている教室の先生は「繰り返し」を重視されるタイプで、早く先に進ませたい私達両親とはちょっと意見が異なるようです。
交渉して、できるだけ進ませるようにお願いしていますが、算数の問題で満点近くを取っているのに6回も同じ問題を解いたことがあります。
6回と聞いてもそんなにピント来ないかもですが、10枚セットを6回なので、うんざりする量です(汗)
まあそのおかげで力はついているのですが、子どもが算数にはちょっと飽きてしまっています。
<追記>
お子さん全員東大理Ⅲに入れた佐藤ママは、子どもの通う公文の教室を一番近いところにはせず、自分の考えと合う先生のところまで通わせていたそうです。通える範囲にいくつも教室がある方は、いろいろな教室を比較してみた方がいいかもしれませんね。
先生とのコミュニケーションが少ない
公文は先生が常に忙しそうで、送り迎えに親が行ってもほとんど親と話すことはありません。
なので、親がその教室のルールを理解するのは子どもを通じてですし、普段と違うことがあった時に理由が分かりません。
例えばうちの子は急にご褒美シールが増えたり、普通はありえない「習っていない範囲の宿題」が出たことがあったのですが、意図が分からなくて困惑しました。
国語は書き順が分からない
新出漢字を最初に書き取りさせるプリントには書き順が書いてありますが、途中の選択問題などでは書き順が書いてありません。なので、間違った書き順が定着してしまう可能性があります。
まあ、あの小さいプリントに書き順まで盛り込むのは大変なのですが、別教材として小学生の漢字の書き順が調べられる本を持たせるなどしてほしいところです。
ちなみに、チャレンジタッチなど電子機器を使った学習の場合、書き順も正誤判定の対象になりますし、分からなければすぐに書き順動画が見られます。
うちで公文の宿題の際に書き順が分からなくなった場合は、私のスマホで調べた「書き順動画」を見せています。
本質を理解しているか分からない
算数の計算問題などを解けるようになっても、本質を理解できていないことがあります。
例えば「プリントで鍛えられて数の計算はささっとできるのに、実際にお金を計算させてみるとできない子がいる」という話を聞いたことがあります。
うちの子も基礎はすらすら解いていたのに、応用問題になると全くできなくて、今まではうわべのテクニックだけで解けていたんだなと判明したことがありました。
プリントのスペースが足りない
公文のプリントはサイズが小さいので、算数などで複雑な計算になるとスペースが足りなくなります。
そのせいでつぶれた字になる→自分の書いた字だけど読み間違えてミス、というのがよくあります。
見直しをしない
公文ではスピード重視だし、間違いは先生が指摘してくれるので、自分で見直しません。
自分でミスを発見する習慣がつかず、ケアレスミスが多くなる傾向があります。
会員専用サイトの意味があまりない/ポイント全然貯まらない
公文に通う子は「くもん友の会」の会員になり、専用サイトにも登録します。
この専用サイト、特に重要な情報はありません。
「くもん友の会」にはポイント制度もあり、1教科につき1カ月で1ポイント貯まります。
そのプレゼント交換もこの専用サイトからできるのですが、ベネッセのチャレンジに比べて交換商品の魅力が弱く(※)、交換は10ポイントからなのでなかなか交換できないという印象です。
※ベネッセのチャレンジの交換商品はオリジナルグッズも多く、おもちゃなど夢があって子どものツボを押さえている物が多い。一方、公文は文具や双眼鏡など実用的で真面目な物が多い。
また、この専用サイトにログインするためのパスワードは、届くまでに申請してから2か月かかりました。ちょっと遅すぎですよね。
公文式の良い所
体系的な勉強ができる
自宅で親が教えていると、「次はこのドリルをやってみよう」「このメソッドも面白そう」などと、いろんな物をつまみ食いし過ぎてどれも中途半端に終わる可能性があります。
何か一つの教育理論について行くと決めてプロにお任せした方が、取りこぼしが少なく体系的な学習ができる気がします。
公文のプリントは配列が良く、徐々にレベルが上がるようになっているので、体系的に学習するのに適しています。
教室も多いので、長期間通いやすくていいと思います。
資格試験を気軽に受験できる
一般的な資格試験である漢検や英検の受験が推奨されていて、気軽に受けられるのが公文のいいところです。
今通っている教室がそのまま会場になるので、試験慣れしていない幼児でも安心して受けられると思います。
親も日程や申し込み方法などを自分で調べる必要がなく、教室からの案内に従って公文の先生に申し込みするだけなので楽です。
うちの子は漢字検定10級(小学校1年生相当の漢字)を今年受験予定です。
お友達と一緒にがんばれる
上記の「公文式の悪いところ」の項目で、「教室に通うのが面倒なのでオンラインレッスンになればいいのに」と書いたのと矛盾しますが、友達と同じ教室でプリントを解くメリットはあると思います。
ヤフオクで公文のプリントを買って自宅で解かせようか検討したこともありましたが、教室で他の子もがんばっている姿を見るからうちの子もがんばれるのかなと思い、やっぱり教室に通わせることにしました。
資格に合格した子、表彰対象になった子は教室に名前が掲示されたり、配布されるお手紙に名前が載るなど自分の頑張りを友達にも知ってもらえます。
大量の問題を解ける
公文の算数では大量の計算問題を教室でも、宿題としても与えられます。
英才教育をしている我が家でも、公文をやっていないと幼児にこんなに大量の計算問題を解かせることはなかったと思います。
単調で大変な作業ですが、その分確実に計算は早くなっています。
毎日コツコツやる習慣はつきそう
公文には日曜日以外宿題があるので、毎日勉強する習慣がつきます。
(歯磨きみたいに、「面倒だけどやらなくていけないこと」として習慣化される)
うちはまだ親が声かけして宿題をやらせており「コツコツやる習慣がつきそう」という段階なのですが、同じ教室に通わせている先輩ママに聞くと自分からちゃんとやるようになるそうです。
良書に出会えた
公文の国語プリントの題材は面白い文章や良書が多いです。
プリントでは一部しか読めませんが、気になったものは図書館で借りて読んだりしています。
(発売年が古く、図書館の書庫に入っていたり探すのが難しい本もありますが)
また、教室には本棚があり、プリントに使われている絵本を含め、いろいろな本が揃っています。
公文が終わって親の迎えを待つ間に、子どもたちは読書を楽しんでいるみたいです。
公文のプリントで出会った本で最近のヒットは『くまさぶろう』でした。
絵本には珍しい、泥棒が主人公の話です。イラストのタッチが独特で、その世界観に引き込まれます。
※1978年発売の本で、もう新品では買えません
公文に通っていなくても、『公文の推薦図書一覧』のリストは閲覧可能です。このリストの中に、プリントの題材になっている作品が含まれています。
興味のある方は、2017年度版 くもんのすいせん図書一覧表(PDF)をご覧ください。
追記1:超個人的な公文のメリット
珍しい意見かもしれませんが、公文に通わせているメリットとしてうちが感じているのは「家庭でやっている英才教育が公文のせいにできる」ってことです。
世間には英才教育に否定的な意見を持つ人も多いので、私達親が早期教育をしていることはあまり言いたくないんですよね。
なので知人に「え?幼稚園児にもう九九を教えてるの?」ってちょっと引かれた時に、「あーなんか公文の先生が厳しくって早めに覚えろって言うのよー」なんて言い訳しようと思っています。
「なんで公文に通わせてるの?」って聞かれた場合は「同じマンションの年上の子が通ってて、自分も行きたくなったみたい」などと説明しています。
(公文に通わせているのはパパの発案ですが、一応これも嘘ではありません)
追記2:ベビー公文について
ベビー公文(Baby Kumon)は普通の公文と全然違って、月1回先生と面談して、月齢に合った教材をもらうもの。
月2160円で対象は0~2歳の親子。通っている友達によれば、月1で育児相談できてとても良い。教材ももらえてめちゃくちゃお得だとのこと。
ただし、先生が信頼できる人ならという条件付き— 英才教育ママの端くれ (@eisai_kyouiku) August 25, 2019