一昨日、このようなメールをいただきました。
質問なのですが、普段、お子さんをどのように褒めていますか?子どもをその気にさせたり、やる気を高めたりする声かけで気をつけていることはありますか?
与えたおもちゃなどの情報は詳しく書かれているのですが、お子さんとの何気ないやり取りや、触れ合いの様子が見えないのが少し寂しいです。
このメールを読んで、「あ、気づいちゃいました?」って思いました。これまでそういった内容は敢えて書かないようにしてたんです。
というのも私、全然良い親じゃないんですよ。忙しかったり疲れていたり、寝不足や心配事などがあると子ども達に全然優しくできないし(八つ当たりできつい言い方をしちゃうこともあります)、子どもの前で夫婦喧嘩もしてしまいます(※1)。
※1=「東大生の親は夫婦仲の良い確率が高い」というデータがあるらしく、子どもの前では基本仲良く振る舞うようにしているんですが…。
しかしいただいた要望にはできるだけお応えしたいので、今回は調子の良い時の私が心がけていることを書きたいと思います。何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
子どもをどのように褒めているか
子どものした良い行いについてはそれが「推奨される行為」だとよく分かるように、「超大げさ」に「具体的」に「やったメリットを明確にしながら」褒めています。
「○○が遊ぶ部屋を片づけてくれたからすごいきれいになったよ。広いから体操もできるね」など
ポイントとしては、良い行いと快楽が結びつくように、即褒めるのが大事だと思っています。
良い行いと快楽の結びつきがより強化されるように、言葉で褒めるだけでなく小さなお菓子など、物のご褒美を与えることもあります(ご褒美で「物」を与えるのには批判的な意見もあるかと思いますが)。
「子どもの作ったもの」や「子どものアイデア」は下手だったりピントがずれていても無限に褒めまくります。
子どもが自己肯定感や創作意欲を高められるといいなという思いからです。
例えば、絵画などは全体的に下手でも、一部分に注目して「ここの色がむらなく上手に塗れているね」など具体的に褒めます。
また、「お母さんこの作品すごい好きだよー」とか主観の話にしちゃうと、嘘をつかずにいくらでも褒められます(笑)
子どもの行為や制作物を褒めまくる反面、子どもの性格や特技など子どもの性質についてはさらっと褒めるようにしています。(「○○は優しいね」「器用だね」など)
その理由は、「○○は○○だね」と言われ過ぎることで、「自分は○○な子なんだ!」と子どもが思い込んで縛られるといけないからです。
例えば「○○はいい子だね」って言われることで、子どもがいい子であろうと無理しすぎるようになる、という話を聞いたことがあるんです。
まあ、どんな言葉をかけても気にする子は気にするし、気にしない子は気にしないと思うんですが。
似た理由で「○○は賢いね、勉強ができるね」という褒め方をすると、子どもが努力しなくなったり天狗になるのでやめた方がいいという話も聞いたことがあります。
でもこれは、うちではやっています。
子どもが「自分は勉強のできる子だ」という自負を持つことはメリットの方が大きいと思うんです。将来勉強で壁にぶつかった時、プライドがあった方が踏ん張りがきくと思います。
ただし、人に自慢して嫌われないように「○○できてすごいでしょって、お友達に自慢しないようにしてね。お友達がまだできないことだと悲しくなっちゃうかもだから」「みんな好きなこと、得意なことは違うんだよ」と普段から言い聞かせています。
上記の「人と比べない」っていうのは親や子ども本人のためにもいいと思います。
公文などをやってると上には上がいると分かり、上位層が解いている問題を知ると絶望しそうになりますが、「当社比(本人比)で成長していればいい」と親である私も自分に言い聞かせています。
結果だけを褒める対象にしない、結果が出なくてもがんばったならその過程を認めることも忘れないようにしています。
まあ幼児期は未完成な分、けっこうがんばればがんばっただけ成長があるので、結果を褒めることも多いですが。
やる気を高める?声かけ
「ちょっとだけやってみよう」と誘っています。
心理学のフット・イン・ザ・ドア・テクニックというものを意識しています。
人間は、「いったん小さな要求を受け入れてしまうと、その後徐々に要求をエスカレートされても受け入れてしまいやすい」というあれです。
セールスマンが『ドアに足を入れさせてもらえればこっちのもの』っていうのが語源らしいです。
子どもが公文の宿題をやるのに気乗りしない時など、「1枚だけやってみようか」などと声をかけ、「お!早いね!調子いいじゃんもう一枚やってみたら?」って感じで乗せます。
うちではあまり使いませんが、ドア・イン・ザ・フェイスというテクニックもあります。
最初に断られる前提で「難易度の高い要求」をし、その後譲歩していると見せかけて「本来したかった要求」を通すというものです。
断った際の相手の罪悪感につけこむテクニックです。
顔の前でドアを閉める(=門前払いされる)くらい高い要求というのが語源らしいです。
先ほどの公文の宿題の例なら、
親「今から公文の宿題、国語と算数2日分やろっか」
子「えー無理だよ」
親「じゃあ1日分でいいよ」
子「えーできないよ」
親「じゃあ算数だけでいいよ」
子「うん、分かった」
こんな感じですかね。まあ、心理学の用語を持ち出さなくても自然にこういった駆け引きをやっている方は多いかと思います
本人に選ばせるフリをしています。
「国語のプリントと算数のプリントどっちをやる?それとも九九のゲームをやる?」みたいな、どっちに転んでも親に都合の良い選択肢を用意して、子どもには自分で選んだと思わせます。
「子どものあまのじゃくさ」を利用しています。
特に2歳の下の子によく使うテク?ですが、やって欲しいことを敢えて「これは絶対やっちゃだめだよー」って言います。
勉強関係のことを「これは大人がやることだからダメだよ」って言って、憧れを募らせるように仕向けることもあります(笑)
競争やゲームを利用しています。
やる気を高めるために兄弟間で競争させたり(もちろん下の子にはハンデあり)、ストップウォッチを使ったりゲーム要素を取り入れています。
一緒にやろうと誘います。
小さい子どもは大人にかまわれるのが大好きなので、「やりなさい」というより「一緒にやろう」とか「見ててあげるからやってみて」と言ったほうがやる気を出します。
うちの子は公文の宿題を、おばあちゃんと一緒にやることがあります。
おばあちゃんは問題を暗算で解きますが、「ボケ防止になる」とおばあちゃん本人も楽しんでいますよ。
その他、うちの子育て・教育方針など
スキンシップはたくさん取るようにしています。
スキンシップは子どもの情緒を安定させ、やる気を高めると思うのでどんどん取っています。しかもタダで、自分も楽しいですし。
「○○が可愛いから無駄に抱っこしちゃおー」などと言って急に抱き上げたり、後ろから抱きついたりしています。自分が子どもとバカップルになったイメージでやっています。
スキンシップを取るのが苦手、照れくさいと感じる方は、手遊びなどの中でスキンシップを取ってもいいと思います。
うちの子が通っているヤマハの幼児科レッスンは親子で参加するのですが、最初に習う「だいすき」って歌には子どもを思いっきり抱きしめる振り付けがあります。
甘い言葉もたくさんかけるようにしています。
就寝前や寝起きなどの「半覚醒状態」の時は特に、言葉が潜在意識に染み込んで効果的と思うので「大好きだよ」「○○はお母さんの宝物だよ」と言いまくっています。
「いかに兄弟間の不平等をなくすか」はとても気にかけています。
特に上の子が「上に生まれて損ばっかり」と思わないように、下の子の昼寝中に上の子だけにお菓子をあげるとか、下の子に何か譲ってくれた場合は別の物をあげるとか、損失の穴埋めをしています。
また、「一緒に遊べるからいいね」「お揃いを着ているとおしゃれでいいね」などと兄弟のいるメリットを少しずつ刷り込んでいます。
英才教育をしているので、その他のしつけなどは厳しくしすぎないようにしています。
「人生楽しい」と思って欲しいので、レジャーにもたくさん連れて行き、本人が好きなことは勉強に関係なくてもとことんやらせるようにしています。
基本的にはご褒美漬けってくらい、ご褒美はあげています。
ご褒美は我が家で日常的に配られています。トイレトレーニングでも「トイレくじ」と言って、「トイレに成功するとクジが1回引けておもちゃなどが当たる」制度を作っていたくらいです。
私が大学生の頃、教授がインストラクターをするスキー合宿に行ったんですが、その時、雪山の頂上で必ず飴をくれる教授がいました。
それがすごく嬉しかったのを今でも覚えています。
あんな感じで自分も効果的に子ども達にご褒美を配りたいなって思っています。