全国統一小学生テストは受けるべき?詳しく解説!

中学受験

四谷大塚がやっている全国統一小学生テスト(=全統小)についてまとめました。
「全統小はよくTVCMやウェブCMが入るから名前は聞いたことがあるけど詳しくは知らない」という方も多いかと思います。

全統小は簡単に言うと「全国で開催される年長~小学生向けの学力診断テスト」です。対象学年なら誰でも無料で受けることができます。

全国統一小学生テストの概要

・年2回開催される(開催日程は基本的に6月の第1日曜日と11月3日)。申し込みはテスト日の1か月半前くらいから開始

・対象学年は年長〜小学6年生

※自分の学年より上の「飛び級受験」も可能です
(特に問い合わせなどしなくても、申し込みページで「飛び級受験を希望する」かどうか選べる)

・子がテストを受けている間、親向けのセミナーがある(会場による。参加は任意)

・後日テスト内容についての解説動画が自宅で見られる

・テスト結果について詳しいデータ冊子がもらえる

・費用は全て無料

・申し込み先は四谷大塚(四谷の準拠塾や提携塾)もしくは早稲田アカデミーの各校舎

※早稲アカも準拠塾ですが、ダントツで規模が大きいためこう書きました

※基本的に校舎が会場になるので、受けやすい会場に申し込んでください

全国統一小学生テストの会場一覧はこちら

全統小は四谷大塚と早稲田アカデミーどちらで受けるのがおすすめ?

全統小は四谷大塚と早稲田アカデミー、それぞれで受けるメリットがあります。

※これらは準拠塾・提携塾や校舎などによって少し違うかもしれないので、参考程度にどうぞ

全統小を四谷大塚で受けるメリット

・早稲アカで受けるよりも早く結果が受け取れる(受け取り時は簡単な面談があり)

・事前対策授業が受けられる
四谷大塚の校舎で全統小の過去問を使った対策授業を受けられます。無料です。

<事前対策授業ってどんなことをするの?>

校舎によって多少内容が違うかもしれませんが、うちのお世話になっている校舎では「同学年の子が集まって全統小の昨年の算数の過去問を解く」という内容です。

先生が抜粋した問題を子どもがその場で自分で解いてみて、皆と一緒に先生の解説を聞きます。

最後の難問についてはほとんどやらないと思いますが、「難問中心にやる対策授業回」を別途設けている校舎もあるようです。

※事前対策授業はとても人気で校舎によってはすぐに枠が埋まるので、早めに申し込むことをお勧めします。
全統小を受けることが決まったら、四谷大塚の校舎に対策授業の日程を問い合わせて一緒に申し込んでください。

・早稲アカよりも(解説授業がない分)当日の所要時間が短いので、低学年で集中が長く持たない場合は四谷の方がいい

・成績がかなり良ければ特別講座を案内されることがある(マンスリー講座と呼ばれるもの)

早稲田アカデミーで受けるメリット

・結果は郵送してもらうことができる

・事前に対策プリントがもらえる

・当日簡単な解説授業がある(低学年まで)※コロナの関係でなくなることがあります

・成績がかなり良ければ早稲アカに通う際に授業料免除の対象になる

・早稲アカオリジナルグッズがもらえることがある

・欠席した場合に当日の問題がもらえることがある

全国統一小学生テストに関するQ&A

全統小の試験はどんな内容?

年長のテスト内容は「先生が問題を読み上げてくれる、算国融合の30分間のテスト」です。お受験のペーパー試験と似ています。平均点80%を目安に作成されています。

小学生のテスト問題は特別な勉強をしなくても得点できるような基本問題が多いですが、後半に難問もあります。
平均点は大体、1年生が70%、2・3年生が60%、4・5・6年生が55%程度になるように作成されています。

全国統一小学生テストの配点の特徴として「基本問題の配点が応用問題と同じか、それよりも高い」という点が挙げられます。
例えば基本問題が1問6点、応用問題が1問5点みたいな感じです。

普通のテストでは応用の方が配点が高いので不思議ですが、これはあまり勉強していない子が受けてもある程度点を取れる(酷い点を取ってショックを受けないで済む)ように配慮されているということだと思います。

学年ごとの科目・試験時間などは下の表を参考にしてください。※2023年版の最新情報ですが、時間などは今後変更になる可能性があるので公式サイトでご確認ください。

学年 算数 国語 理科 社会 試験形式
年長 (30分)100点 なし なし 記述式
小1 (30分)150点 (30分)150点 なし なし 記述式
小2 (30分)150点 (30分)150点 なし なし 記述式
小3 (35分)150点 (35分)150点 なし なし マークシート
小4 (40分)150点 (40分)150点 (20分)100点 (20分)100点 マークシート
小5 (50分)150点 (40分)150点 (25分)100点 (25分)100点 マークシート
小6 (50分)150点 (40分)150点 (25分)100点 (25分)100点 マークシート

全国統一小学生テストは「試験時間に対して問題量が多い」というのも特徴の一つです。最後の問題までたどり着けない子も多いです。
お子さんが全部の問題を解けなくてもあまり気にしないでください。

全国統一小学生テストの当日の持ち物は何?

当日の持ち物は「事前に郵送される受験票(※)」と「鉛筆」と「消しゴム」です。

3年生以上はマークシートに塗りやすい鉛筆がおすすめです。

※受験票は我が家には大体6日前位に届きますが、塾や校舎によって違うかもしれません。

コロナ禍では「不織布マスク」も必須でした。

「腕時計」もあった方が安心だと思います(教室に時計はありますが、見えにくい場所に座るかもしれないので)

温度調整のための「カーディガン」等もあると安心です。

全統小はどんな子が受けている?

(主催が中学受験塾なので)中受を視野に入れている子たちが多く受けていますが、無料で気軽に受けられる大規模テストなので中受しない子たちもたくさん受けています。

全統小を受ける動機の例

「中学受験はしないけど、学校のテストは簡単すぎるので全国テストで子の実力を知りたい」

「附属小なので受験はないけど、小学校受験でやったペーパー対策が今でもどれだけ通用するか知りたい」

中学受験する子はみんな全統小を受けている?

中学受験する子は(四谷大塚・早稲アカに通っている子でなくても)、テスト慣れのため全統小を一度は受けていることが多いです。

4年生の6月は特に多くの子が受ける回です(多くの子が通塾開始後初の全統小であり、この時は成績優秀者の特典が豪華なため)

ただ、5年生~6年生位になると受ける子も減ってきます。
特にサピックスなど全統小と関係のない塾に通っているお子さんは参加を見送ることも多々あるようです。

受けなくなる理由としては自塾の勉強で忙しい、全統小の問題がマークシートで本番の入試問題とは違うので実戦的ではない、などがあります。

全統小を受ける子たちは賢い子が多い?

全統小は普段塾には通っていないお子さんも受けるので「中学受験する集団」よりは平均学力が低くなる傾向があります。

ただ、休日にわざわざテストを受けるということは「普通より教育熱心な家庭のお子さんたち」なので普通の小学生よりは平均学力が高いと思われます。

初めてのテストが全統小でも大丈夫?

テストデビューが全国統一小学生テストというお子さん、けっこう多いです。

全統小がテストデビューに選ばれる理由は「無料なので気軽に受けられる」「合格・不合格などがないので気楽」「塾側も慣れていない子が多い想定で丁寧に説明してくれる」などです。

そのためテストデビューでも気軽に受けて大丈夫ですが、低学年のお子さんには、知らない場所で親と離れてテストを受けるのが不安で、泣いてしまうような子もいます。テスト=嫌な思い出となったら困るので、そういう心配がある場合は、初めてのテストはまだもう少し先伸ばしにしてもいいかもしれません。

内容の解説、結果のフィードバックはある?

当日子どもが問題用紙と解答解説冊子を持ち帰ります。書いた答えをメモしたり覚えたりしていればなんとなく答え合わせができます。

試験1週間後くらいから公式の解説動画が見られるようになります。

また、早稲田アカデミーでは当日に短時間ですが振り返りの解説授業をやってくれます(低学年まで)

四谷大塚では返却時に面談で学習アドバイスをしてくれます。

返却される成績冊子には色々なデータが入っていて自分の立ち位置を知ったり、今後の学習をする上でとても参考になります。

<2024年6月追記>今回実施分の全国統一小学生テストから成績表がWeb成績表になりました。より詳細な成績データが見られるようになったそうです。

例えば、

・自分の順位や偏差値が色々な切り口でデータ化されています。「科目別」「2~4教科の総合点」「全国順位」「都道府県別順位」「男女別」などです。

・「問題別成績」では自分の正解した問題・間違った問題を受験者全体の正答率と合わせて見ることができるので、得意分野や不得意分野がよく分かります。

・講評(=学習アドバイス)も書かれています。

※小学6年生は志望校の合格率判定もしてくれます。

合格証が届くって本当?

成績が受験生の上位50%に入ったお子さんには後日「合格証」が郵送されます。

これは四谷大塚の入塾資格をゲットしたということなのですが、入塾予定でない人はスルーしてOKです。

全統小を受けたら勧誘はある?

四谷大塚は成績返却時に面談が必須なので、その際に簡単な勧誘はあるかもしれません。

早稲田アカデミーは結果を郵送してもらうことができますが、それでも電話勧誘などはありえます。

たくさんの子が受けるテストなので基本的には個別にそれほど熱心な勧誘はありませんが、準拠塾の中にはややしつこい勧誘をするところもあるようです。
もし入塾する気がないなら勧誘を受けても「今のところ通塾は考えていない」「習い事が忙しいからまだ通塾はしない」などとはっきりと断ってください。

全統小の成績優秀者は豪華賞品がもらえるって本当?

無料で受けられるテストなのに、全国統一小学生テストの賞品はとても豪華です!腕に自信のあるお子さんはぜひ狙ってみてください。

<1・2年生の全統小の賞品>

・1、2年生は全国順位20位までウェブの特設ページに氏名が公表され、賞状がもらえます。

それとは別に、各都道府県別順位3位まで賞状がもらえます。

賞状は届くまでにかなり時間がかかるので対象者は気長に待ってください。
(6月の小学生テストの賞状は夏休み後半までもらえなかったりします)

<3~6年生の全統小の賞品>

・3~6年生の各学年で全国順位50名までの子が、後日開催される「決勝大会」に出る権利を得ます。

決勝大会では教科のテスト(全統小と同じ科目)と作文で順位を決めます。ちなみに解答形式は予選はマークシートですが、決勝は記述になります。

その結果で上位30位にはiPad、記念品(オブジェ的な置き時計など)と賞状、当日撮影した集合写真がもらえます。ウェブの特設ページに名前も掲載されます。

決勝大会で上位30名に入れなかったお子さんも記念品と当日撮影した集合写真はもらえます。

決勝進出のボーダーラインはどの位?どうやったら出られる?

決勝に出られる偏差値は(学年と回にもよりますが)全教科総合で70後半くらいになります。

目安としては、1教科につき不正解は2~3問以内にとどめる必要があります。全教科総合平均で9割以上得点する感じです。
(※その時の平均点やミスした問題の配点などにもよるのであくまで目安)

先述のように全国統一小学生テストは基本問題の配点が高いので、決勝に出るには「ミスをほとんどしないこと」が重要です。

他の子に差をつけるために応用問題も解ける必要がありますが、それに加えて基本問題でミスをどれだけ抑えられるかの勝負になります。

また全ての教科の総合点で争うので「苦手教科がないこと」もポイントになります。

全国統一小学生テストで決勝進出はいつ分かる?

成績表の返却前にテストを受けた校舎の先生から「決勝進出です。おめでとうございます」と電話が来ます(受けた塾や校舎によって違うかもしれません)連絡が来るのはだいたいテストの6日後くらいです。

ちなみに返却される成績表には全教科総合の全国順位(1位~50位)は書かれておらず「決勝進出」とだけ書かれています。自分が何位で決勝に進出したかは分からないようになっています。

決勝大会に関するこぼれ話

・決勝大会は基本的には全国統一小学生テストのあった「3週間後の日曜日」に開催されます。(※募集開始時には決勝の日程も確定しています)
可能性のある人は決勝の日の予定を空けておいてください。
参加できないと棄権となってしまい、決勝大会上位30人だけがもらえる景品(iPad)を手に入れるチャンスがなくなります。

・全国統一小学生テスト賞品の目玉として小学4年生の6月にだけ「無料でアメリカの有名大学へ視察に行ける(アメリカIvy League視察団)」というのがあるのですが、コロナのために2020年~2022年は休止されました。2023年から復活しました。

この旅は夏休み中に10日間の日程で子どもたちが有名大学を訪問して講義を受けたり、有名な博物館を見学したりします。他の参加者とディスカッションするという時間も設けられています。

・全国統一小学生テストの会場は全国にありますが、決勝大会は東京で開催されるので、地方からは泊まりがけで来ることになります。ホテルや交通費は四谷大塚が用意してくれます。

・決勝大会の結果発表(30位以内の入賞者の発表)は決勝の3日後の夜以降です。

決勝大会の記念品(オブジェ的な置き時計)は当日持ち帰れますが、記念写真や30位以内のiPadがもらえるのはかなり先になります。対象者は気長にお待ちください。

・以前は決勝大会中に今半(有名なすき焼き屋)の高級弁当が出されており、それも決勝の楽しみの一つだったのですが、コロナ禍でお弁当はなくなっています。

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